ポスト団塊世代のお気楽な日々

初老に近いおばさんが自由気ままに書き綴る自分勝手なひとり言

バンザイしたい

年をとると、なかなか直ぐには名詞が出てこないことがある。
しばしば、アレ、ソレ、コレで済ませてしまうことになる。
ましてや、夫婦の間では、正確に言わなくても相手の思っていることは伝わることが多い。
なので、ますます二人の会話は代名詞だらけになってしまう。
それじゃいけない。
いつしか、正しい名詞を使わなければ、お互い、聞こえないふりをすることにした。
相手が思い出すまで辛抱強く待つことにした。

お互い、パッと出てこない言葉というのはあるものだ。
わたしは、固有名詞に弱い。
芸能人などはもちろん、ご近所さんでさえ、ときどき、名前が出てこないことがある。
(あぶない、あぶない)
夫は、固有名詞には強いが、カタカナ言葉が出てこないことがよくある。

昨日もおかしかった。
夫が、手が届かないものだから、「アレ」と言って、わたしの目の前にある物を指差した。
「アレって何?」と意地悪く訊く。
いつも夫は、この名前を直ぐには言えないのだ。
相当、苦手と見える。

  ワイアレスマイク…じゃない
  ユーエスビーメモリー…じゃない
  
などとブツブツ言っている。
わたしは、おかしくて、おかしくて、ふき出してしまう。
だって、どっから、どうやったら、そんな言葉が出てくるんだ?

17秒後。
「リモートコントローラーよ。リモコンよー」と、嬉しげに叫んだ。
よかった、よかった。