ポスト団塊世代のお気楽な日々

初老に近いおばさんが自由気ままに書き綴る自分勝手なひとり言

南の人

台中を歩いていると、人々の印象が台北の人たちと違う。
その表情に緊張感がなく、のんびりと寛いだ感じ。
身に着けている物も、その辺に放り投げてある物を無造作に引っかけて出て来たというような出で立ち。
着る物に対し、ほとんどこだわりがないように見える。

わたしが台中へやって来たと知り、高雄から十数年来の知り合いの蘇さんが訪ねて来た。
高雄は台湾南部にあり、台北に次ぐ第2の都市である。

ドアチャイムが鳴ったので、たまたまリビングに居たわたしが玄関を開けた。
蘇さんは裸足で入って来た。

えっ、どうして???
玄関に入る前に靴を脱いだの?、、、それにしても、裸足、、、
高雄からサンダルで来たの???

彼を中に招き入れ、さりげなくドアを開けて確認すると、ゴム製のブルーのサンダルが目に入った。

2月にサンダル?あのサンダルで3時間のバスの旅?
まっ、いいかぁ。

上に羽織っているのは、着古して毛玉がいっぱい付いた、くたびれたアクリルのジャンパー。

上はジャンパーでも下は裸足、、、
まっ、いいかぁ。

でも、彼は別に靴も買えないような余裕のない生活を送っているわけではない。
お金持ちなのである。
台湾でも名の知れた会社の息子なのである。

彼が立ち去った後、娘や婿殿と話した。
二人が言うには、台北はある程度きちんとした身なりの人が多いが、南に行くほど服装に無頓着になる。
服装にお金をかけなくなる。
蘇さんもその例に漏れないようだ。

なにしろ高雄は熱帯。
九州ほどの面積しかない、狭い、狭い台湾だが、亜熱帯地方と熱帯地方に分かれている。
亜熱帯の台北とは人々の考え方も生活様式も違って当然か。

蘇さんが南の人なのにあらためて思いを致した。