ポスト団塊世代のお気楽な日々

初老に近いおばさんが自由気ままに書き綴る自分勝手なひとり言

ゴミ出し

娘たちが台北に住んでいた頃はゴミ収集については、「乙女の祈り」の音楽が聞こえてくると、あ、ゴミ収集車が通ってるな、ぐらいの認識だった。
というのも、住んでいたマンションでは、住人がゴミ出し係りのおばさんを雇っていたからだ。
ところが、台中に住むようになってからはゴミ収集車はとても身近な存在になった。

1週間に5日、決まった時間に音楽を流しながら家の前を通る。
乙女の祈り」が聞こえてくると住民たちはゴミ袋を手に家の前に並ぶ。
正確にはゴミ収集車と資源回収車が2台でやって来る。
住民は2種類にゴミを仕分け、ゆっくり通り過ぎる2台のトラックにそれぞれ投げ入れる。

孫が今、最も興味関心があるのが車である。
車に乗れば後部座席のチャイルドシートから運転席をジッと見つめ、運転の真似。
絵本も子ども向け自動車図鑑が一番好き。
おもちゃも車以外に興味はない様子。
ということで、ゴミ収集車も大好きだ。

午後2時過ぎ、「乙女の祈り」が聞こえてくると、娘をせかして家を出る。
運転手さんとも仲良しだ。
「ハーイ」と挨拶し、「バイバイ」と言って別れる。
運転手さんも毎度のことながら嬉しそう。
それが終わると、お昼寝タイム。

燐家の息子さん一家は実家を出て、歩いて5,6分の所にあるマンションに住んでいる。
そして、彼はいつも2時ごろ実家に車でやって来る。
ゴミを捨てるために。
彼の住むマンションの前は9時ごろ通るのでゴミ出しに間に合わないそうだ。
ニュージーランドで恋に落ちた大陸出身の妻はゴミ出しは夫任せらしい。
それで、黒のポルシェ・カイエンを運転してやってくる。
両手にゴミ袋を提げ、よれよれのスウェットシャツにジャージのパンツ、サンダル姿で降りてくる。

「息子さん、何してる人?」と訊くと「働いてないらしいよ」と娘。
「じゃ、なんでポルシェなんよ」と言うと「大金持ちなんよ、不動産がたくさんあって」との返事。
あ、そう。
彼も「南の人」なのだ。
まあゴミ出しなんだから、ポルシェからジャージにサンダルで降りてきても別にかまわないんだけど。