ポスト団塊世代のお気楽な日々

初老に近いおばさんが自由気ままに書き綴る自分勝手なひとり言

見本にすべき

わたしと夫の共通の友人にKさんという高齢の方がいる。
6月に84歳になられた。
御主人を40代で亡くされ、女手ひとつで育てた娘と息子は東京で家庭を持っている。
ひとり暮らしだが、年に2回は東京の子ども達の家を訪れ、少なくとも年に2回は海外旅行をされている。

最近、夫とKさんの3人で食事をした。
その時に、Kさんがお母さんの思い出話を始められた。
母は88歳で逝ったから、わたしも後4年は生きるのかもね、と。

まあ、親の年まで生きられれば御の字というもの。
そうですね、と同意する。
88歳どころか100歳まで生きられますよ、などと御上手が言えないタチである。

次に、この前、パスポートを更新したよ、と話を続けられた。
40代の頃初めて申請したときは5年のパスポートだったけど、この30年は10年のを申請していると。
それで、わたしが、「今回、何年のを申請されたんですか」と尋ねた。
後4年と話されたばかりなので、5年のを申請されたのだろうと思いつつ、訊いた。
すると、「10年のよ」との返事。

わたしも夫も絶句。
2秒後、「あ、そうですか……」。

90代になっても海外旅行は続けるつもりがあるからこその10年パスポートだ。
あまりに当然と言わんばかりの表情だったので、二人とも「すごいですね」の言葉も出なかった。

Kさんと別れた後、国内のツアー旅行が暢気でいいよねなんて言ってられないね、と夫と話したことである。