ポスト団塊世代のお気楽な日々

初老に近いおばさんが自由気ままに書き綴る自分勝手なひとり言

★孫は望めない


一週間の日本滞在を終えて、一昨日、娘達は台湾へ帰って行った。

空港まで車で送った。
見送るときはいつもそうだが、しばらく会えないと思うとしんみりしてしまう。
でも、帰りの車に乗り込むと、少し安堵するのも、これまた正直な気持ち。
再び自分のペースでいつもの生活が始まると思うと、なんだかホッとする。

今回は、素食家(ベジタリアン)のお母さんが一緒だったので、ともかく料理に時間を費やした。
お母さんでも食べられる物を用意しなければならないのでメニューを考えるのも大変だった。
婿殿も一時、素食家になりかけていたが、もはやそんなことは忘れ、魚も肉も大量に胃袋に収まり、2キロも太って帰って行った。

お母さんは肉と魚、その加工品が食べられないだけで、煮干しや鰹節のダシもいいし、ニンニク、ネギ、玉葱も食べてもかまわない。
婿殿の兄と兄嫁は、ダシにもこだわるし、これらの野菜も絶対に口にしない。
とても熱心な仏教徒夫婦である。

ある日、お昼にぶっかけうどんを食べながら、ずっと気になっていたことを訊いた。
ショウガはいいのに、どうしてニンニク、ネギ、玉葱、ニラがいけないのか、と。

婿殿は、少し考えていたが、
「はっきりしたことはわからないが、これらの野菜は人の性欲を旺盛にするからではなかろうか」
と言った。
台湾では、日本と違って、お坊さんは妻帯しない。
素食が仏道に励む者の間から広まったことを考えれば、道理がある。
わたしは「なるほどねぇ」と言って感心していたら、お母さんが深刻な表情でボソリと言われた。

「だから、あの夫婦は子どもができないのよ」

思いもよらぬ発言に、わたしの頭は混乱した。
娘と婿殿も、返す言葉が見つからず、戸惑っている様子だった。
3人は、お母さんのぼやきが全く耳に届かなかったかのように、一斉にうどんをかきこんだ。
中国語のわからない夫は、能天気に「このぶっかけうどん、うまいっ!」と言って、幸せに満ちた顔をしていた。