ポスト団塊世代のお気楽な日々

初老に近いおばさんが自由気ままに書き綴る自分勝手なひとり言

★中国籍だった!


4月に台湾で結婚式をすませ、娘が日本の市役所に婚姻届を出すよう書類を送ってきたのが5月のこと。
婚姻届を出すということは、娘が戸主の戸籍が新たに作られるということだ。

わたしは直ぐにその手続きに市役所へ行った。
その夜、婚姻届を提出したことを話すと、娘が配偶者の国籍はどこになったか聞いてきた。

国籍を台湾と記入した婚姻届を見て、市役所職員が、台湾は国ではないので受け付けられない、と言われたので、中華民国ではどうだろうかと訊くと、他の職員に相談に行かれ、しばらくして、いいようだ、という返事だったので、中華民国で提出したという経緯を話した。

そして、今回、娘が自分が戸主となった戸籍謄本が見たいと言うので、買い物に行く途中、市役所に立ち寄った。
婿殿、お母さんも一緒である。

発行された戸籍謄本を見ると、何と配偶者の戸籍が中国になっていた。
婿殿とお母さんはそれを見て失望と不満の入り混じった表情。
婿殿、「中華民国と聞いて安心していたのに…」と言って肩を落としていた。

娘は職員に、母から夫の国籍は中華民国でいいと聞いていたのに、どうしてここには中国と記載されているのかと訊いた。
職員は、他の職員のところに行き、事情を話していたようだったが、しばらくして戻ってきて、国の決まりだからしようがない、との返事。
娘は、「とても微妙な問題でお願いしにくいのですが、東京都は中華民国という名称を許可しているようですね」と言ってみたが、「あ、そうなんですか」の一言で終わり。
わたしは、「石原さんは中国嫌いの台湾びいきだからね」と言って、娘を慰めておいた。
しかし、婿殿とお母さんはどうも納得のいかない様子。

市役所を出てから目的地の新しく開店したドラッグストアへ向かう車の中でも、二人はいつもお喋りでうるさいのに沈黙したまま。
中国籍となっていたのが、よほど残念だったのだろう。

わたしも初めて行ったドラッグストアは開店セール中で、多くの商品がかなり格安で売られていた。
4人は、それぞれ自分の欲しい物を探して広い店内を歩く。
婿殿とお母さんも自分の物だけでなく、友達に頼まれた薬や化粧品などを探すことに神経を集中。
二人は買い物に夢中になっているうちに、いつの間にか国籍の件はすっかり忘却の彼方へ…。
帰りの車の中では、翌日のスケジュールについて白熱した討論が始まったのだった。