ポスト団塊世代のお気楽な日々

初老に近いおばさんが自由気ままに書き綴る自分勝手なひとり言

★バスの事故

上海・蘇州旅行(5)

それは中国茶のお茶きき体験からバスに戻ってきた時だった。
バスが壁に追突したのだ。

ツアー中、お世話になった運転手さんはベテランで、とても運転がうまかった。
狭い道でもスイスイ、幹線道路でUターンするのも滑らか。
彼に対する信頼感は絶大で、いつも安心してバスに乗っていられた。

その日も、お茶きき体験の後、うまく調子に乗せられお茶を買い
込み、バスに戻った。
既に、エンジンがかかり、いつでも出発できる態勢になっていた。
添乗員さんが最後の二人を迎えに行っており、わたしは、お土産
のレシートを見ていた。
その時、後ろの方で、あー、あーー、あーーー!という声が聞こえてきた。
気付くと、バスが動いている。
顔を上げると、バスに乗車した時には運転席にいた運転手さんが居ない。
一番後ろの席に座っていた、怪しい男女4人組のうちの一人のおにいさんが運転席に突進した。
が、間に合わなかった。
バスは壁にドシンと追突。
フロントガラスの左上に何本ものヒビが鮮明に入った。

間もなく、運転手さんと添乗員さんが戻ってきた。
添乗員が運転手を大声で叱責しているのが聞こえる。

バスが出発後、添乗員が説明した。
どうも、運転手さん、外にいた中国人に汚い言葉で罵られ、カッとなってバスを飛び出したようだ。
サイドブレーキをしないまま、飛び出たのだろう。
運転技術は抜群だが、切れやすい人だったようだ。

次の観光先の上海博物館からバスに戻った時は、バスが古いのに入れ替わっていた。
わたし達が博物館を見学している間に、取り替えたのだろう。
それにしても、ぶつかった壁にも多大な損害を与えていたはずなのに、そのまんま走り去った。
あれでかまわないのだろうかと不審に思い、夫に言ったら、
没関係のお国だから」
と、夫は事も無げに答えた。