ポスト団塊世代のお気楽な日々

初老に近いおばさんが自由気ままに書き綴る自分勝手なひとり言

★ナンパ事件


上海・蘇州旅行(4)

ガイドブックなどにも載っていなくて、実際に行ってみなければ知り得ないことがある。
今回、そんなことを地下鉄の改札口で経験した。

三日目の夜、夫と上海外灘の夜景を見に行った帰りのことである。
夫はわたしより脚が長い分、早足である。
地下鉄を降りると、さっさと姿が見えなくなった。
わたしは、一人で改札口から出る。
その時、ヘルメットをかぶった男性、数人が一列に並んでいるのが目に入った。
一体、何をしてるんだろう、と思いながら歩いていると、その内の一人の若いおにいさんと目が合い、声をかけられた。
ぐじゃぐじゃ言っていたが、「坐不坐」だけが聞き取れた。
乗るか、だって???
わたしが不審そうな顔で彼を見つめると、
「…聴不トン…」と言うので、「聴不トン」と答えると、おにいさん、繰り返して言った。
オートバイに乗らないか、と言っているのがわかった。
どうもタクシー乗り場まで行く前にお客を拾おうという魂胆らしい。
まあ、利用客にしても、タクシーより、オートバイの方が安いだろうから需要があるのかもしれない。
ともかく、駅の改札口に並んで客を拾うオートバイ集団というのは、わたしには初めての経験だった。

先に行っている夫に追いつき、さっきの出来事を話すと、夫が言った。
「ナンパされたのか」。

夫の思考回路を覗いてみたいと思った。