ポスト団塊世代のお気楽な日々

初老に近いおばさんが自由気ままに書き綴る自分勝手なひとり言

★親心は複雑

娘はもうすっかり現地の食事に馴染んでいる。

屋台に毛の生えたような食堂にも平気で入って行く。
強烈に臭い臭豆腐(チョウドウフ)なども、美味しいと言って食べている。
朝食はご飯と味噌汁ではなく、饅頭(マントウ)と豆漿(ドウジャン)である。
偶に味噌汁を作れば、中にはトマトが入っている。

娘の食生活が現地化するのは喜ぶべきなのだが、日本人じゃなくなるようで寂しい。
それでも、わたしが台湾へ行くと、「三越の地下でお寿司を買って来て〜」と甘える。
娘が住んでいる所から一番近い、日本食が入手できるのが三越の地下売り場である。
日本のデパ地下とほぼ同じ値段で売られている。
ということは、台湾価格で生きている娘にとっては、お寿司は贅沢品である。

ある日、食べたい物が浮かんで来なくて、「今晩、何を食べようか」と言ったら、娘が、「お寿司にしよう!」と即答した。
わたしが、「わざわざ台北で美味しくないお寿司を食べんでもねぇ」とポロリと本音を漏らしたら、
「まっ、失礼なっ!」と言って叱られた。
直ぐにわたしは、「日本に比べて美味しくないってことよ〜〜」と言って失言を取り繕った。

台湾について悪く言うと、どんなことであれ必ず娘はわたしに訂正を迫る。
それくらい台湾の人間になってしまったってことなのだろう。
嬉しいような寂しいような、親としては複雑な気持ちである。



【もう一度食べたい紅焼牛ナン】