ポスト団塊世代のお気楽な日々

初老に近いおばさんが自由気ままに書き綴る自分勝手なひとり言

野良猫騒動(2)

翌朝、6時過ぎに、階下でカタカタ音がするのに気づいて目が覚めた。
もしや、やっぱり猫は家の中に隠れているのではないかと思い、急いで下りた。
キッチンのホワイトボードに留めていたチラシが1枚と、それを留めていたマグネットが2つ、フロアーに落ちていた。
猫の仕業だろうか、と思いながらカーテンを開けていると、何かが動く気配を感じ、振り向くと、キッチンをサッと猛スピードで猫が横切った。
猫は勝手口に向かって走った。
やっぱり、猫は家の中にいたのだ!

勝手口は閉まっているのだから、出られる筈はない。
わたしは、全てのカーテンを開け終わると、悠々と勝手口に向かい、土間を覗いた。
しかし、猫の姿はなかった。
おかしい…一体、猫はどこだ?
起きて来た夫に、子猫が横断するのを見たと言うと、幻覚だろうと言って笑われた。
わたしも、そうかも、という気がしてきた。

夫が出かけた後、新聞を読んでいると、ニャ〜〜〜ン、と細い鳴き声が聞こえた。
気になって、家の内も外も、「チーちゃん、チーちゃん」と呼びながら一周した。
しかし、二度と鳴き声は聞こえず、姿も見えなかった。
帰宅した夫に猫の鳴き声がしたと言うと、幻聴だろうと言って笑われた。
わたしも、そんな気がしてきた。

そして、午後、わたしも夫もそれぞれ出かけた。
夕方5時過ぎに帰宅したら、Eさんがチーちゃんを案じて我が家を訪ねて来られていた。
そして、「見て、ここにいるよ」と言って、床下換気口を指差した。
見ると、チーちゃんは、換気口の傍まで来て、Eさんを見つめながら、甘えたように鳴いている。

一体、どうやって、そんな所に侵入したのだ?
Eさんに勝手口の土間に隙間がないかと訊かれたが、朝、わたしは確認したのだから、ないのはわかっている。
が、ともかく、Eさんに中に入ってもらうことにした。