ポスト団塊世代のお気楽な日々

初老に近いおばさんが自由気ままに書き綴る自分勝手なひとり言

支離滅裂

「また使ったね、わたしのっ!」
と朝から大声を張り上げる。
たいてい月に一度くらいのペースで夫を叱らないといけない。

何度注意しても、わたしの歯ブラシを間違えて使うのだ。
歯ブラシ置き場は、この数年ずーーーっと、手前の列の右端が夫、後ろの列の左端がわたしと決まっている。
夫がわざわざ手を伸ばして取り出さなくていいように、手が届きにくい最も奥まった場所にわたしの歯ブラシを隠しているのにである。
歯ブラシの柄の色だって、わたしはピンク系、夫は暗色系で間違わないようにしているのに、である。

「いくら夫婦といえど、歯ブラシだけは人のものを使いたくないでしょっ!」
と言うのだが、夫はそうは思わないのだ。
「全然、気にならん。ユリは潔癖症だ」で片づける。

そんなもんじゃない。
何かの本で読んだけど、どんなに愛し合うカップルでも、熱いキスは交わしても、歯ブラシだけは相手のものは使えない。
だから、どんなに貧しくても、歯ブラシだけは絶対に2本はある。

と言って、夫を説得するも、どうも腑に落ちない様子。
それで、更に思いつくままに話す。

これも何かの本にあったけど、愛する女性の髪はやさしく愛撫しても、一旦それが抜けて床に落ちたりバスタブに浮いてたりしたら、同じ人のものなのに、それはもう汚らしくて見苦しいだけなのだ。

これには夫も直ぐに賛同した。
しかし、よくよく考えたら、歯ブラシの共有とは何ら関係はない。
それでも、それで一件落着。
何事もなかったかのように二人は朝ご飯を食べるのであった。