裏切り
日曜夜の娘からの定期電話。
ハルビン・長春・瀋陽・旅順・大連6日間のツアーの話をした。
わたしは参加したいのだけど、夫は自分は忙しいだの何だのと勿体つけるのがいやらしいと話す。
娘 別にパパと一緒に行きたいってわけでもないんでしょ?
私 ううん。パパしかおらんよ。
パパと行くのが一番気楽でえーよ。
△△先生とだったら気を遣うし、伯母ちゃんは忙しいから6日も付き合ってくれんし。
娘 そうかぁ。わたしが近くに居たら、いつでもママと一緒に行けるのにねぇ。
夫が傍から割り込んだ。
「どうして一緒に行けんのん。一緒に行けばえーじゃないか」
無視して、「まあ、△子とは一緒には行けんよねぇ」と言って、話題を変えた。
そして、昨日のお昼ご飯のとき。
夫は、前日夜の電話の話を持ち出した。
夫 どうして、△子は一緒に行こうって言わんかったんかな。
私 当たり前じゃない。どうやって一緒に行くんよ。
夫 △子は台湾から出発して、ハルピンで会えばえーじゃない。
私 あのね、結婚した娘が、わざわざ母親の海外旅行に付き合うと思う?
そんな娘、おる?
夫 おる。▲▲。姉貴と一緒にワシントンに行った。
私 ▲▲ちゃんはご主人に会いに行ったんじゃない。
お義姉さんは▲▲ちゃんについて行っただけじゃないのよー。
夫は黙った。
それで、その話は終わった。
結婚しても、娘はいつまでも自分たちのものだと信じて疑わない夫。
一年前にやっと子離れしたわたし。
「そーよねぇ。どうしてかねぇ」の言葉を期待していた夫を楽々裏切ってしまった。
それに、気が付いたら、いつの間にか、唯々諾々なわたしはいなくなっていた。