ポスト団塊世代のお気楽な日々

初老に近いおばさんが自由気ままに書き綴る自分勝手なひとり言

美談

昨日はお彼岸。
実家のお墓参りに行った帰り、姉の家を訪れた。
姉はお茶の用意をしながら、待ち構えていたように、「美談よ、美談」と言って話し始めた。

先週末、弟夫婦がバスツアーで京都へ一泊旅行に行った時のことである。
京都市内に入ってから、ひどい渋滞にかかったそうだ。
バスはノロノロ運転で、いつ目的地に到着するかわからない。
弟嫁は尿意を我慢できず、途中、コンビニが目に入ると、下車させてもらうことにした。
弟は彼女を一人で降ろすのは不安だったのか、一緒に降りたそうだ。
コンビニから出ると、バスは既にずっと先の方に進んでいたので、二人で一生懸命に走って、やっとの思いで追いついたとのこと。

「すごい美談だと思わん?
 △△、付いて降りるなんて、ホントやさしいよね〜〜〜。
 うちのだったら、他人です、って顔で知らんぷりしてるのならまだええ方よ。
 絶対に、何で我慢できんのかっ!って大声で怒鳴りまくるよ」

確かに、お義兄さんならそうだろうなぁと納得する。
姉は、「これ、うちのがホワイトデーのお返しでくれたんよ」と言って、冷蔵庫からバームクーヘンを取り出した。
「ホワイトデーのお返しなんかいらん、って言うのに買ってきてからにぃ」
と不満そう。

わたしは言った。
「まっ、おねえちゃん、バレンタインデーにお義兄さんにチョコレートあげたん?
 すごいねぇ。
 わたしなんか、何もあげてないよ。
 そいで、お返しにお義兄さんがバームクーヘンを買ってきてくれたんでしょ?
 これこそ美談じゃないのよぉ〜〜〜」
姉は満更でもなさそうに、クスッと笑った。