ポスト団塊世代のお気楽な日々

初老に近いおばさんが自由気ままに書き綴る自分勝手なひとり言

優越感

自慢にもなんにもならないが、わたしは花の名前を知らない。
覚えるのも苦手である。
花の名前の話になると、「わたし、花の名前はチューリップとバラとユリくらいしか知らないから」と言って、予め予防線を張っておくのが常だ。
だから、夫も含め、目に入る草花の名前をスラスラと口にする人を尊敬する。

昨日、ウォーキングをしていた時のことである。
年のころ60代後半と思える女性が、すれ違いざまにわたしに話しかけられた。
「きれいですねぇ、ピンクが」と。

道の両端が雑草だらけの場所でのことだ。
確かに、よく見れば、雑草に混じって色んな花が咲いている。
いつもiPodを聴きながら、前を向いてひたすら歩いているので、道端に咲いている草花を意識して見ることもなかった。

白い花、黄色い花に混じって、ピンクの花があった。
その女性が、
「このピンクの花、何ていう名前です?」
と訊かれた。

白い花と黄色い花の名前は知らなかったが、ピンクの花の名前だけは奇跡的に知っていた。
ネジバナじゃないですか。
 ねじれて花が付いているからネジバナって言うんだと思いますよ」
と答えると、彼女は、
「はぁ、そうですか」
と言って、尊敬の眼でわたしを見つめた。
とてもいい気分だった。

帰ってから夫にその話をすると、ネジバナを知らない人がいるのかと言って驚いていた。
わたしの喜びも半減した。