ポスト団塊世代のお気楽な日々

初老に近いおばさんが自由気ままに書き綴る自分勝手なひとり言

酒の味

昨日の朝、台所に入ると流し台の横にお酒の空瓶があるのに気づいた。
よく見ると、お菓子作りに使っているラム酒の空瓶である。

まだ、たくさん残っていたはずなのに……まさか、夫が飲んだ?
と思ったとき、早朝ウォーキングから夫が戻ってきた。
訊くと、やはり、彼が時折テレビを見ながら飲んでいたそうで、昨夜、飲み干したとのこと。

お菓子作りに使っているラム酒だと教えると、ウィスキーかと思っていたと言う。
いつも水割りにして飲んでいたと。
確かに、ラベルには「サントリー」と書いてあるし、茶色っぽかったし、他のお酒類と同じ場所に保管していたのだから、間違ってもしようがないのか。
と思ったが、ラム酒もウィスキーも夫にとっては同じなのかと思うと、わたしはおかしくておかしくて笑いが止まらなかった。
なにしろ、そのラム酒は定価が1000円くらいの安酒である。

わたしがあまりに笑うので、酒の味もまともに区別できぬ男とバカにされたと思ったのだろう。
まだ封を開けていない洋酒類を置いている所から一本、箱入りのブランデーを持って来た。
「よし、今晩からは、レミーマルタンを飲むぞ。
 開けずに飾っておいてもしようがない」
と、得意げに言った。
婿殿が数年前にフランスから買ってきてくれたお土産のレミーマルタンである。
埃をかぶった黒い化粧箱には「CLUB SPECIAL REMY MARTIN」とある。
 
口には出さなかったけど、そんな高いコニャックを開けなくても、お酒なら何でもいいんじゃないのと思ったわたしである。