ポスト団塊世代のお気楽な日々

初老に近いおばさんが自由気ままに書き綴る自分勝手なひとり言

スリ被害

娘たちがフランスツーリングから戻り、翌日、電話がかかってきた。
交通事故には遭わなかったが、旅行最終日にスリに遭ったとのこと。

最終日はパリで買い物の予定だった。
二人はメトロに乗り込んだ。
婿殿はその日、カーゴパンツを穿いていた。
太モモや腰に大きなポケットの付いている、あのパンツである。

メトロは混雑していた。
中に進もうと人混みをかき分け前進していたとき、中学生くらいの二人連れの女の子のうちの一人が床に落ちた物を探すような格好で腰を屈めたそうだ。
娘たちが中ほどまで来たとき、インド人らしき男性が婿殿にスリに遭っていないかと問うたそうだ。
そのときメトロは停車し、二人連れの女の子たちが飛ぶように出て行くのを見た。
婿殿は、パンツのポケットに手を当てると、右モモのポケットのジッパーが開いていたそうだ。
そして、財布がなくなっていた。
その中には、クレジットカードと現金700ユーロと台湾元もいくらか入っていたようだ。
クレジットカードは直ぐに使用停止の処理をしたそうだが、なにしろ、自分がスリの対象になったことにショックを受け、買い物気分は吹っ飛んでしまったらしい。
ただ、すられたのが左モモのポケットに入れておいたパスポートでなかったので、翌日、出国予定だっただけに面倒は避けられた。

それにしても、女の子が、ポシェットではなく、カーゴパンツのポケットに、しかも腰のポケットではなく、太モモのポケットに財布が入っていると見抜いたことにわたしは驚いた。
スリのプロなのだろう。
その女の子たちは、ルーマニア人のような顔つきだったと婿殿は話しているそうだ。

もともと東洋人は狙われやすいのだが、お金持ちには見えない婿殿が財布を狙われたのが驚きだ。
もっとも、わたしもメトロでアラブ系の男性に騙されかけたくらいだから、メトロでの犯罪は珍しくないのだろう。
してみると、日本というのはたとえ大都会でも、のどかなものだ。