ポスト団塊世代のお気楽な日々

初老に近いおばさんが自由気ままに書き綴る自分勝手なひとり言

開かずのミシン

ミシンの調子がおかしくなった。
布送りが悪くなったのだ。
使用説明書を取り出し、書かれている通りにゴミを取ったり油を差したりしてみたが、送らない。
ベルトがもう古いせいではないかと思った。
なにしろ、嫁入り道具に持参したミシンである。
娘が幼かった頃はそれなり出番も多かったが、この十数年は雑巾を縫うくらいである。
といっても、なければやはり不便なので、修理してもらおうとミシン屋さんへ持参した。

昔のミシンはすごく重くて、重いせいで一旦押入れにしまうと取り出すのがイヤになるほど。
それで余計にミシンを使う機会が減ってしまう。
その重いミシンを提げて車まで運び、ミシン屋さんの駐車場からお店まで運ぶ。
それだけで、汗だくになる。

お店の人に事情を話すと、30数年前のミシンは部品もないし、買い換えてはどうかとのこと。
最近のミシンは足で踏む電動ミシンではなく、スイッチを押すと動き出す。
ボビンも金属ではなくプラスティックになり、ボビンケースもなくなっていた。
針に糸を通すのも自動でできる。
重量も少しは軽くなり、持ち運びも以前より楽だ。
下取りして安くしますので買われたらどうですかと勧められると、なければ困る物だし、新しいのを買おうという気になってしまった。
なにしろ、定価が126,000円のミシンを52,500円で売るというのである。
定価なんて、あってないようなものである。
2500円の内金を支払い、残りは後日、銀行振り込みにする。
早速、使い方を習い、家に持ち帰った。
とりあえず、居間の隅に置いておいた。

あれから10日が過ぎた。
残金の入金はしたが、新しいミシンは、いまだに開けられることもなく、埃をかぶりつつある。
これではいかん、早く雑巾の一枚も縫えよ、と急き立てられている、自分に。