ポスト団塊世代のお気楽な日々

初老に近いおばさんが自由気ままに書き綴る自分勝手なひとり言

ここは北極

年々、中国人研修生が減っている。
2008年のリーマン・ショックや去年の大震災の影響もあるが、中国が経済的に豊かになり、わざわざ日本まで働きに来なくてもよくなったのだろう。
最近はこの地域ではインドネシアベトナムからの研修生が増えている。

わたしが関わっている日本語教室でも、初めてベトナム人を受け入れることになった。
1ヶ月間、茨城県で語学研修を受けた後、9月の終わり頃、こちらにやって来た。
女性3人である。

火曜日の日本語教室の日は、とても寒かった。
わたしもダウンジャケットを着て行った。
が、教室に入ると、過剰なほどエアコンが効いていて、ジャケットは直ぐに脱いだ。
垂らしたままの長い髪が暑苦しくて、髪を一つにくくった。

3人のベトナム人研修生は、いつものことながら既に席について勉強していた。
見ると、ものすごい格好をしている。
厚手のコートを着て、マフラーをして、更には、毛糸の帽子をかぶっている。
ここは、北極か!と叫びたくなった。

研修生の一人が、「先生、寒いです」と言う。
「そうですね。今日は寒いですね」と答える。

結局、3人はコートを脱ぐこともなく、マフラーを取ることもなく、毛糸の帽子を脱ぐこともなく、90分の勉強を終えた。
わたしはいつの間にかカーディガンも脱ぎ、セーター一枚になっていた。

南方の体と北方の体はこうも違う。
ふと、台湾人の婿殿を思い出した。
真冬に初めて我が家にやって来たとき、家の中でも毛糸の帽子をかぶり、ダウンジャケットを着ていた。
やっぱり、ここは北極だった。