ポスト団塊世代のお気楽な日々

初老に近いおばさんが自由気ままに書き綴る自分勝手なひとり言

義弟

今朝の食事中でのこと。
夫が味付け海苔の入った缶から2袋、海苔を取り出し、わたしの方に1袋置いた。
「わたしは要らんよ」と言うと、夫はそれを海苔の缶の傍まで戻した。
でも、決して缶に戻そうとはしない。
「どうして中に入れんの」と訊くと、「夜、食べる」と答える。
「湿気るでしょ。収めるの、簡単じゃない」と言うと、しぶしぶ缶の蓋を開けた。

ふと義弟を想った。
義弟が夫と同じように開けたら開けたまま、出したら出したままの人だと知ったのは去年の旅行のとき。
あの日、血は争えないものだと感心した。

その義弟が亡くなった。
2週間前に急死した。
姉と兄より先に両親の元に旅立った。

姪の話では、義弟嫁は今も目が離せないほど危なっかしい状況にあるという。
元気にしているかと思えば号泣している。
夫を失った深い悲しみ、悔しさ、そしてこれからの夫のいない人生を思う悲しさ、寂しさが溢れ出ている状態だと。

何もしてあげられない。
時が彼女を癒すのを待つしかない。
無力である。