ポスト団塊世代のお気楽な日々

初老に近いおばさんが自由気ままに書き綴る自分勝手なひとり言

長生き

母が誕生日が来たら87歳になるというので、子どもたち一家と孫たち一家でお正月に米寿のお祝いをした。
母も大変喜び、長生きできたことにとても感謝していた。
何しろ実家では、父も祖父母も米寿を迎える前に亡くなっている。

その母が、最近、風邪をひいた。
そして、なかなか治らない、このまま死ぬんだろうなどと大袈裟に騒ぐ。
その愚痴にうんざりした娘2人は、年を取れば風邪も直ぐには治らないのは当たり前だと冷たく突き放す。

なにしろ、この2、3年、母の頭の中には自分の健康のことしかないかのようだ。
他人の気持ちなど思いやる余裕はない。
姉から母の具合が悪いと聞き電話すると、いつも暗い声で電話に出てきて、人を暗い気持ちにさせる。
心配しなくてもいいよ、そのうち治るよ、などという言葉は絶対に出てこない。
同じDNAを持っているのだろうから、自分もいずれそうなるのかと思うと、先が暗い。

そして、先日、娘とのSkype
母の病気の話をしていたら、娘が、いつもパパとママには感謝してるよ、ずっと元気で長生きしてもらわないと、と歯の浮くようなことを言う。
ほんまかいなと思いながら、
  でもねぇ、長生きするだけが能じゃないよ。
  長生きしておばあちゃんみたいになってもねぇ…。
  わたしゃ、ほどほどのところであの世に行きたいよ。
と言うと、
  まっ、ひどい娘じゃねぇ、ママは!
  親のことをそんなふうに言うもんじゃないよ!
と叱られた。
一瞬、反省したが直ぐに忘れた。

そして、翌日、母に電話して、よく風邪をひくようになるのも、病気がなかなか治らないのも、順調に年取ってる証拠よ、と言って、追い撃ちをかけておいた。