ポスト団塊世代のお気楽な日々

初老に近いおばさんが自由気ままに書き綴る自分勝手なひとり言

回復

ワシントン旅行のドタキャン以来、わたしは不機嫌である。
夫の顔を見ない。
物を言うのも必要最少限。
夫が一人で喋っている。
彼が何を着て出て行くのか、彼が何を食べているのか無関心。

昨夜、晩ご飯を食べ終わった夫が言った。
「もう、この漬物、捨ててもええんじゃないか?」。
見ると、2週間前に友達に貰ったたくわん漬け。
彼女が生まれて初めて漬けたというたくわん漬け。
わたしは漬物は食べないが、夫が好物なので貰って帰った。
薄く切って、タッパーに入れておいた。
見ると、半分くらいに減っていた。
夫は、自分でそれを冷蔵庫から取り出し、毎日、少しずつ食べていたのだ。

そのたくわん漬け。
見ると、白っぽいものがたくわんに付着している。
箸で一枚つまむとズルッとした感じ。
完璧に腐っている。
漬物でも腐るのだ。

思わず笑みがこぼれた。
わたしは言った。
「ま、腐ってるじゃない!
 わからんかった?腐ってるの。
 お腹、こわさんかったん?
 さすがじゃねぇ、戦後間もない生まれの人は。
 胃腸も抵抗力あるよねぇーーー」。

ムスッとしている夫を見ていると、ますます嬉しくなった。
少しは機嫌が直った。