ポスト団塊世代のお気楽な日々

初老に近いおばさんが自由気ままに書き綴る自分勝手なひとり言

上下関係

中学時代の同級生Tさんから野草のアレンジメントのお誘いがあった。
人数が集まらないので、急遽、暇人のわたしに声がかかった。
むげに断るのもなんなので、OKした。
Tさんと、もう一人の同級生、Yさんの3人で応募した。
同じ市内に住んでいても、滅多に会うことはない。
二人に会うのは10数年ぶりのこと。

Tさんの運転する車で奥深い山中にある会場まで行った。
1時間あまりの車中でのお喋りで、この10数年の音信不通もなんのその、すっかり3人は打ち解けた。

参加者は全部で6人と、少人数だった。
先ずは、会場付近を散策がてら、アレンジメントの材料になりそうな草花を採集する。
歩きながら、講師の野草についての講釈などを聴く。
偶には食べられそうな木の実もあったりする。
講師が「これは食べられますよ」と言われれば、わたしはTさんに言う。
「Tさん、食べてみて。美味しかったらわたしも食べる」。
講師が「この野草は良い香りがしますよ。匂ってみてください」と言って道端に生えている花を指すと、わたしはTさんに言う。
「Tさん、代表して匂ってみて。しゃがむの、面倒だわ」。
Tさんが、「これアザミよね」と、アザミに似た花を指さして言うと、
「違うでしょ。アザミは葉っぱが尖ってるじゃない」と容赦ない。
いくらわたしが花の名前はチューリップとバラとユリしか知らないからって、その程度の知識はあるのである。
ちょっと得意なわたし。

アレンジメントが終わったら、待望のランチタイムである。
お店の売りの山菜料理などいただきながら、話が弾む。
隣の市から参加していた3人の女性がわたし達3人の関係を尋ねる。
中学時代の同級生だと言うと、3人がへえッと驚いたような表情になる。
Tさんがわたしを指差し3人に言った。
「この人の命令口調を聞いてたら二人の関係がわかるでしょ」。
Yさんは隣で意味ありげに含み笑いをしてる。

もしかしてわたし、あの頃から威張っていた?
結婚してからこうなったのだと思っていた。
大きな勘違いであった。