ポスト団塊世代のお気楽な日々

初老に近いおばさんが自由気ままに書き綴る自分勝手なひとり言

脱皮

一昨日、予定通り娘は台湾へ帰って行った。
さすがに寂しくなった。
なにしろ1ヶ月も一緒に居たのだ。
一人減っただけで、家は静かになり、中の様子もガラリと変わる。

何もなかった食卓の上が再び物置き場に変わりつつある。
椅子の上には夫が脱ぎっぱなしのソックス、椅子の背には何枚もの夫の上着
諦めずいちいち夫を諌める人間が居なくなり、再び夫の悪癖が出始めた。

滞在中、娘が夫を叱る度にわたしは笑ってしまった。
なにせその表現がおかしいのだ。

朝早く2階の寝室からドスン、ドスンと大きな音を立てて下りてくる。
階下で寝ている娘はいつもそれで目が覚める。
「韋駄天みたいに下りて来んでよ!
 まだ寝てる人のことを考えんさいよ!」。

夫が大きな声で誰かと電話で話している。
外出から戻って来た娘が言う。
「パパ、家から30メートル離れていてもパパの大声が聞こえたよ。
 マイクロフォン付きなんね、パパの喉は!」。

夫が短パンを脱いでお風呂に向かう。
短パンはずり下ろしたそのままの形を留め、フロアに鎮座している。
すかさず娘が言う。
「パパ、そのままにしておくつもり!?
 蛇の脱皮じゃないんだから」。

口やかましい娘が居なくなって、夫も半ばホッとしていることだろう。
な〜んて、輪をかけて口やかましいわたしが言うことではないけれど。