ポスト団塊世代のお気楽な日々

初老に近いおばさんが自由気ままに書き綴る自分勝手なひとり言

瞬間湯沸し器

夫は「瞬間湯沸し器」だ。
自分の思い通りにならないと直ぐにカッとなって怒る。
そういう人だとわかったのは結婚して間もなくのことだった。
わたしの父は温厚で、声を荒げるということがなかったので、かなりショックだった。
だが、決して手を上げることはないので、許容範囲だと思うことにした。
そのうち、わたしも夫に似てきて、今ではわたしもすっかり「瞬間湯沸し器」化している。
心配ないものだ。

夫が必ず「瞬間湯湯沸し器」になる時は次の3つ。
気分転換にと家具の移動をする時、部屋の絨毯と籐マットを入れ替える時(6月と9月)、見るに見かねて物置の片付けをする時である。

今回、娘と夫が物置を片付けているのを見ながら、娘に言う。
「パパ、今、90度ぐらいかね。
 沸点に達するのは間もなくよ」。
案の定、1分後には夫はキレる。
暑いせいもあるのか、沸点に達するのがいつもより早い。

大声で怒鳴られ、娘は一瞬、固まる。
でも、その後の反撃がすごい。
「パパ!どうしたん?!
 いい大人が恥ずかしいと思わんの? 
 そんな大声を張り上げて、近所の人に警察を呼ばれてもしかたないよ」。
しっかり言い返し、夫の行為を諌めてくれる。

わたしはその様子を見ながら心地よい笑いに包まれる。 
もっと言って、もっと言って、と心の中で娘を応援する。
わたしが言ったのでは効かないが、娘は違う。
と思ったが、翌日の片付けでも、瞬間湯沸し器は壊れるどころか絶好調だった。