ポスト団塊世代のお気楽な日々

初老に近いおばさんが自由気ままに書き綴る自分勝手なひとり言

オクラの行方

隣のおじさんの野菜攻撃が続いている。
いまだまともな野菜は届いていない。

この前も「キュウリ、食べてくれんかぁ?」という声が玄関の外で聞こえた。
お化けキュウリをたくさん貰っても食べきれないので、「冷蔵庫にキュウリがゴロゴロしてまーす」と返事をする。
おじさん、諦めて帰られる。
家の中まで持ち込まれたら受け取らざるを得ないが、顔が見えないので、はっきり断れる。

一昨日は、外出から戻ってみると、玄関に紙袋が置いてあった。
中を見るとオクラが10本と茄子が5本、入っていた。
隣のおじさんからだ。
収穫後何日も過ぎたような茄子と、成長しすぎたオクラを見ればわかる。
何しろ、このオクラ、どれも20センチはある。
石のようにかたくて、茹でたところで筋っぽくて食べられない。
即刻、ゴミ箱へ。

昨日、おじさんの奥さんが、「これ、どうぞ」と言って、乾麺を4袋、持って来られた。
こういう物なら大歓迎である。
おばさんと玄関先でしばらく話した。
帰り際、ふと、おじさんのことを思い出したので、
「おばさん、昨日、おじさんがオクラを置いておられたんだけど、あんまりに大き過ぎて…」
と言うと、おばさん、
「そうそう。うちにも朝起きたら、テーブルの上にこんなに大きなオクラが置いてあって…」
と、両手の人差し指を立てて20センチくらいの間隔を開け、いかに長かったかを示された。
「それでね、こんなのは食べられんのよ、言うて教えてあげたんじゃけどね。
 オクラもあの3分の1の大きさなら美味しゅうに食べられるのにねぇ。
 本人は、こんなに大きゅうになった、すごいじゃろう、と得意に思っとるんじゃろうねぇ」と続けた。

そうか、大きければ大きいほどいいと思っていたのか、おじさんは。
それにしても、食べられないとわかっても我が家へ持って来るおじさんの神経も、これまた理解しがたい。