ポスト団塊世代のお気楽な日々

初老に近いおばさんが自由気ままに書き綴る自分勝手なひとり言

やぶ蛇

わたし達夫婦のお仲人さん、とうとうご主人が91歳、奥さんが81歳になられた。
仲人をしていただいた時は働き盛りだったが、月日の経つのは早いものだ。
子どもさん達は東京住まいなので、今、老夫婦二人の静かな生活だ。

ウォーキングしていると、偶に奥さんには出会うので、ご主人の様子を伺ってみる。
いつも、しんどい、しんどいって言ってますよ、との返事。
どこといって悪いところがあるわけではないが、なにしろ高齢なのでそのようなものなのだろう。
見た目はお元気そうでも、やはり年齢は正直だ。
じゃ、気を付けてあげてくださいね、と言って別れる。

先日、夫も奥さんに道で出会った。
ご主人の様子を伺うと、やはり、同じようなことを言われたらしい。
夫は、「しっかり看てあげてくださいね。奥さんだけが頼りですからね」と言って励ましたとのこと。

わたしは言った。
「奥さんは若いし優しい人じゃけぇ心配いらんよ。
 しっかりご主人の世話をしてあげてよね。
 わたしだったら、この時とばかりに仕返しするけどねぇ。
 覚悟しといた方がええよ」
思わず漏れる本音。

夫の顔色が変わった。
夫は言った。
「仕返しぃ?!
 一体、どんなひどいことしたかぁ、ユリに。
 そりゃあこっちのセリフじゃろうがぁ。
 これまでどんだけユリに痛めつけられたか」

そ、その通り。
何も言い返せない。
夫の恨み節は果てしなく続きそうだったので、さっさと部屋を出た。