ポスト団塊世代のお気楽な日々

初老に近いおばさんが自由気ままに書き綴る自分勝手なひとり言

若くない

台湾滞在中、一日中、孫を見ているわけにはいかない。
一日のほとんどは寝ているのだから。
夫と二人、よく繁華街へ出かけた。
偶にバスに乗るが、ほとんどはMRT(捷運)と呼ばれる地下鉄を利用する。

初日、夫はMRTで若い女性に席を譲られた。
席を譲られるなど、生まれて初めての経験である。
夫は戸惑い、でも、女性は既に立ち上がっているのだから座らざるを得ない。
座った後も、自分はそんなに年寄りに見えたのだろうか、などとしばらくブツブツ言っている。
隣に座っていた、夫と同年代と思われる女性が、ちらちら夫を見ながらクスクス笑っている。
そして、夫に向かって「わかい」と一言。
知っている日本語を使って夫を慰めてくれた。
夫に笑顔が戻った。
帰宅後、娘にその話をすると、娘は大爆笑。
そして、台湾の若者は年配の人を見たら直ぐに席を譲ってくれるもんなんよ、と言って夫を慰めた。

そして、二日目。
夫はMRTで男子学生にまたもや席を譲られた。
二日続けてなので、ショックは大きい。
わたしは夫が落ち込むのがおかしくて、というか楽しくて、笑いが止まらない。
根が意地悪なのだ。

3日目のこと。
いつもなら吊り革か立ち席用つかみ棒を持って立つのだが、その日は油断していた。
急カーブで何とわたしはよろけてしまい、あやうく床に尻餅をつくところだった。
すると、直ぐに目の前に座っていた若い男性がサッと立ち上がり、座るように言ってくれた。
「謝謝」と言って、素直に従った。
その時やっと夫の気持ちが理解できた。


台湾へ行くと必ず訪れるのが龍山寺
この日もいつものように参拝者でにぎわっていた