ポスト団塊世代のお気楽な日々

初老に近いおばさんが自由気ままに書き綴る自分勝手なひとり言

おじさんは怪物

娘が滞在中のある日、家の外から隣のおじさんの「大根、食べんかーーー」の声が聞こえてきた。
また、成長不良の大根か、と思ったので、娘に断わっといてと頼んで玄関へ行かせる。
しばらく二人は話していたが、断り切れなかったか、キュウリみたいに細い大根を5本提げて戻って来た。

開口一番、「スズキのおじさん、怪物じゃない?」。
一体、何を言い出すのかと思うと、娘曰く、

スズキのおじさん、とし、一体なんぼになっちゃった?
えぇぇぇぇぇぇ、92!!!
どう見ても70代にしか見えんよ!!
わたしが子どもの頃から全然、変わってんないよね。
一体、どうなっとるん??
やっぱり怪物よ〜〜〜。

その翌日。
数軒先の家のご主人が夫を訪ねて来られた。
不在の夫に替わり、娘が玄関へ。
娘とはもう20年くらい顔を合わせていない。
耳を澄ますと、二人とも何だかぎこちない。
「え、△子ちゃん?あの△子ちゃんよね?」
「はい。
 サトウのおじちゃんに最後に会ったのは小学生の頃だと思います。
 サトウくん、元気ですか?」
などと、一級下の幼なじみの話などしている。
浮かない顔つきで戻って来る。

娘 : サトウのおじちゃん、すごい年取っちゃったねぇ。
    始め、誰かわからんかったよ。
私 : まあ、向こうもそう思ってるんじゃない、△子を見て。
娘 : そうよね。
    そうしてみると、やっぱりスズキのおじさん、怪物よねぇ。

すっかり「怪物」が気に入ったようだ。
でも、どちらかっていうと、おじさんは「化け物」の方がピッタリだと思うけどね。