ポスト団塊世代のお気楽な日々

初老に近いおばさんが自由気ままに書き綴る自分勝手なひとり言

台北保姆記(1)

台北から戻って1週間あまり。
ようやく普段の生活が始まりつつある。

半月間はまさに保姆(バオムゥ)生活だった。
バオムゥは中国語で、家政婦さん、お手伝いさん、メイドのこと。
家事と孫のお守りで老体は酷使された。

一口に家事と言っても、日本とは事情が異なる。
買い物ひとつとっても、スーパーへ車で買い出しに行くわけではない。
リュックサックと買い物袋を提げ、歩いて市場へ、スーパーへ。
スーパーの野菜(特に青物)は新鮮さに欠けるし、かと言って市場だけでは揃わない。
また、台所の使い勝手も悪い。
我が家なら1時間でできる料理も倍の時間がかかる。
離乳食もチマチマと面倒くさい。

孫はと言えば、10か月を過ぎ、家じゅうを這い回り、手の届くものは何でも落として楽しむ。
立ち上がる時や伝い歩きの最中で、倒れたり転んだりする。
床は大理石なので目が離せない。

娘は母親が来たら、ここぞとばかりに親に甘え、親を使う。
買い物や炊事はもちろん、孫の面倒までわたしに看させる。
本人がするのは、オムツの洗濯と大便のチェックと離乳食のメニューを考えることぐらい。

鉄分補給にとヒジキを食べさせたら、二日後、そのまま便に出てきた。
もっと細かく切らないとダメでしょ、と叱られる。
トウモロコシもブレンダーで細かくすれば大丈夫かと思って与えたら、皮が出てきた。
皮が付いてたらダメでしょ、とまた叱られる。
まあ、娘だから叱られても応えない。

息の抜けない一日があっという間に過ぎ、半月間の保姆生活は終了した。
「我が家が天国」を実感している。