ポスト団塊世代のお気楽な日々

初老に近いおばさんが自由気ままに書き綴る自分勝手なひとり言

★57歳は若いらしい


昨日、お寺さんがお彼岸のお参りに来られた。
年に二度、春と夏のお彼岸に、檀家を一軒、一軒、お参りに歩かれる。
檀家の者も、お上人さんと一緒にお経を唱える。
だから、わたしもかなり上手に法華経が唱えられるようになった。
お上人は86歳になられるが、背筋はピンと伸び、朗々とした声で年を感じさせない。
欠点は、このお上人、いつも、お経が済んでからの話が長いことだ。

昨日はことのほか長かった。
10時半に来訪、お経は15分で終わったのだが、その後が長かった。
お経が終わると先ず

  ご主人には悪いんですが、わたしと奥さんは息がぴったり。
  まさに一心同体ですなぁ。
  ま、妬けんでくださいよ、ハッハッハ。

いくら嫉妬深い夫でも、86歳の男性は対象外だろうに。

その後、お説教らしきものが始まる。
いつものように、同じことを何度も何度も繰り返される。
しかも、要領が悪いので、話があっちへ行ったり、こっちへ来たりで、一体、何を話したいのか、なかなかこちらに伝わらない。

とうとう12時を回った。
さすがに夫も聞き疲れて、1時には出かけないといけないから、とお上人に聞こえよがしにわたしに食事の用意を催促する。
かといって、わたしもお上人を置いて立ち上がるわけにはいかないので、聞こえない振りをする。
お上人も聞こえない素振りで、話を打ち切ろうとはされない。
その時だった。
電話が鳴り、夫は嬉しそうにいそいそと仏間を出て行った。

それからはお上人と二人きりになる。
お上人の話もやっと核心に入る。
それまで、ある檀家さんの家にお参りに行ったときのことが、時々、話に出ていたのだった。
その檀家さんというのは、最近、離婚した57歳の女性。
夫には愛人との間に子どもまで居たようだ。

お上人が、彼女が夫に逃げられ、独り身になって可哀想だ、と言われるので、思わずわたしが、

  でも、還暦前のおばあさんなんだから、そんな、もう旦那さんが居ようと居まいと、
  あんまり関係ないんじゃないですぅ?

と言うと、お上人、
  
  86歳のわたしから見たら、57歳いうたらまだまだ若いがねぇ。
  
と言って、顔中シワだらけなってにやけている。

ハァ〜、そういうことでしたか。
まあ、お元気なことで、よろしゅうございますなぁ。