ポスト団塊世代のお気楽な日々

初老に近いおばさんが自由気ままに書き綴る自分勝手なひとり言

★紅包と香典と

中止になった台北の披露宴には娘の方は会社の人達と友達が出席する予定だった。
会社へは忌引きの連絡をした時、披露宴のキャンセルのことも伝えたようだった。

台中から戻って初めて出勤した日のことである。

娘は披露宴に出席する予定だった人々一人ひとりから紅包(ホンパオ)と香典を貰って帰宅した。
紅包というのは、ご祝儀を入れた赤い封筒である。
手渡す時、皆、口々に
 「紅包と香典を一緒に渡すなんて、こんなことは初めてだ」
と言ったそうだ。

それはそうだろう。
わたしだって、いまだかつて聞いたことがない。
結婚式でお祝いをしてもらった翌日に弔問客を迎えることになるなんて。

日本から台北の結婚披露宴にやって来る予定だった夫の知り合いにも、キャンセルが決まった夜、夫が電話で事情を伝えた。
しかし、彼女は、もう、そのつもりで居るし、旅行は取りやめないと言って、予定通り、台北にやって来た。

その知り合いも、ご祝儀袋と香典を一緒に娘に渡した。
そして、しみじみ言った。

    「わたしの77年間の人生でも、こんなことは初めてよ」