ポスト団塊世代のお気楽な日々

初老に近いおばさんが自由気ままに書き綴る自分勝手なひとり言

★親離れした娘


娘が2月に日本で結婚式を挙げた時は、ただ嬉しいだけだった。
それまでが準備で忙しかったので、全てが終わった時には達成感すらあった。
また、結婚式の後も娘達がしばらく我が家に滞在したので、娘が結婚して寂しくなった、という感じは全然なかった。
ただただ、安堵感と幸福感で満たされた。

ところが、異国で結婚披露宴をすると、気持ちは全く違った。
とうとう娘はわたし達のもとを飛び立ったのだとしみじみ感した。
特に、披露宴の翌日に婿殿の父親が亡くなるという予期せぬ出来事が起こったので、それに伴い、次々と予定外の面倒な現実が押し寄せ、格別だったのかもしれない。

わたしと夫は、異国にあって何もかも慣れないだけに、かなり疲労困憊した。
しかし、娘は泣き言ひとつ口にしなかった。
楽しみにしていた台北の披露宴が中止になったこと一つをとっても、愚痴や嘆きもあっただろう。
キャンセルに伴う事後処理も数々あった。
しかし、娘は弱音ひとつ吐かなかった。
不幸な現実にもめげず健気に振舞う娘、着々と淡々と事を処理していく娘は、親の口から言うのもおかしいが、本当に大したものだと感嘆した。
自分の子だとは思えなかった。

娘は、これからも台湾でしっかり根を張って生きて行けるんだ、と確信した。
台湾の人間になったんだ、と実感した。

もう、これまでのように娘に頼られることもないのだ、と思うと、一抹の寂しさを感じた。
本当に娘は親離れしてしまった、自立したんだ、と認めないわけにはいかなかった。

でも、それでいいのだろう。
いずれ親と子の立場は逆転するのだ。
娘に心配かけないよう、これからは夫婦仲良くやっていこう。

なかなか殊勝な心掛けだ。