ポスト団塊世代のお気楽な日々

初老に近いおばさんが自由気ままに書き綴る自分勝手なひとり言

★イメージ崩れる 


夫婦は共通の趣味がたくさんあればそれに越したことはないが、現実は理想どおりにはいかない。
でも、一つあれば問題はない、とも聞いたことがある。

わたし達夫婦も興味・関心の対象がずいぶん異なり、共通の趣味を見つけられないでいた。
これまで二人、別行動が普通だったが、最近、やっと一緒にやれることができた。
それは、ウォーキングである。

横着で運動嫌いなわたしがウォーキングを3年ぶりに再開したのが一ヶ月前のこと。
夕食後、雨が降らない限り、一時間、近所の河川敷を歩いている。
もともと、夫は退職後、早朝ウォーキングを続けており、更にウォーキングする必要はなかった。
しかし、一つくらい一緒にやれることも必要だと彼なりに思ったのだろう、気が向いた時には付き合うようになった。

昨日はいつもとウォーキングコースを変えて、高台にある夫の同級生、Kさんの家の近くを歩いた。
たまたま、Kさんが庭先におられ、お邪魔することになった。

Kさんは仕事の途中、我が家によく立ち寄られるのでわたしも懇意なのだが、奥さんとはこれまで話したことがなかった。
ただ、町で何度か見かけたこともあり、美しい人、上品な人、というイメージは持っていた。
Kさん夫妻は同い年なので、やはり、奥さんはわたしよりかなり年配という感じがした。
わたしは言葉使いに気を付けながら、彼女を立てるように心掛けながら会話に加わった。

結論から言えば、驚いた。
奥さんの気取らない、率直な物言いに、である。

  最近は、ご飯の用意をするのが面倒で、作らないことが多い
  主人と同じ空間で過ごしたくない、あっちへ行ってとよく口にする
  主人には日曜も家に居ないでどこかへ出かけてもらいたい
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等々、美しい奥さんの口からスルスル出てくる。
Kさんの面前で、何のこだわりもなく、奥さんの上品な口元から溢れ出る。
最初のうちはわたしも「そうですよねぇ」と相槌を打っていたのだが、そのうちに段々、Kさんがお気の毒になって来た。

Kさんの御宅を出てから、わたしも夫もしばらくは無言のままだった。
夫はショックを受けていたようだった。
わたしは、わたしの上を行く人が居ることに安堵した。