ポスト団塊世代のお気楽な日々

初老に近いおばさんが自由気ままに書き綴る自分勝手なひとり言

★ゴキブリ圧死


昨夜遅く、わたしは一人でリビングで横になり、のんびりテレビを見ていた。
視界の端っこを何か黒っぽいものが横切った。
あの素早い動きはゴキブリに相違ない。

この夏初めてのゴキブリだ。
ゴキブリキャップを利用し始めて3年。
ゴキブリキャップの効力はすごい、今年はゴキブリが出ないかも、と喜んでいたが、やはり甘かった。

近くにあったキンチョールを左手に、スリッパを右手に颯爽と立ち上がる。
とても50のオバサンとは思えない素早い身のこなし。
天井を這っている巨大ゴキブリを狙って、思いっきりシューッと一吹きする。
驚愕した(と思う)ゴキブリは壁伝いにフロアに下りて来た。
弱っているふうは微塵もない。
リビングからダイニングを横切り、仄暗い廊下に突進した。
さすがゴキブリ、逃げ足が速い。
わたしはヤツを逃すまいとキンチョールを噴霧しまくる。
臭い。
ゴキブリよりも先に、わたしの方が息苦しくなる。

廊下の先は夫の書斎。
ドアは開けっ放しになっていた。
ドアの右側は壁一面、作り付けの書棚だ。
わたしはゴキブリが右折して書棚に侵入したのを見逃さなかった。
書棚を集中攻撃する。
シュー、シュー、シュー、シュー、シュー。

にっくきゴキブリが書棚からよたよたしながら出てくる。

ああ、それにしても、何と見苦しい生き物だろう。
テラテラと脂ぎった薄くて黒い体。
見ているだけで虫唾が走る。
絶対に生かしてはおけない。

いよいよ右手の出番だ。

衰弱しきったゴキブリめがけ、満身の力をこめてスリッパを振り下ろす。
ピシャッ!
右手を上げると、みごとにひしゃげて死んでいた。

ゴキブリごときに、たとえ数枚といえど、ティッシュはもったいない。
リビングまで新聞を取りに行き、ハンカチ大に破る。
クシャクシャに揉んでゴキブリの死骸を包みゴミ箱に抛る。
自然と笑みがこぼれる。

もう、テレビはどうでもよくなった。
手を洗って寝た。