ポスト団塊世代のお気楽な日々

初老に近いおばさんが自由気ままに書き綴る自分勝手なひとり言

★ありがたいお言葉

婿殿のお母さんは、何度も同じことを話す癖がある。
このたび一週間いっしょに暮らすうちに気づいた。

娘にその話をすると、「そうなんよ」と言って、娘が話し始めた。

わたしもね、また始まったー、って思うんだけど、まあ、初めてのような顔で聞いてあげるんよね。
  (えらいねぇ。さすがにわたしの娘だねぇ)
でもねぇ、この前は、ちょっとしつこかったよ。
  (えっ、何、何)
わたしがね、台中に菜箸がないから、買って持って行ってあげたんだけどね。
お母さん、うっかり、それでご飯を食べていたんだって。
  (へぇー、あんな長い箸で? いかにもお母さんらしいねぇ)
そしたらね、シャオホン(4歳の孫娘)がそれを見て、不思議そうな顔をして、
「おばあちゃんは、巨人の箸でご飯を食べるのね」って言ったんだって。
  (ふふーん、シャオホン、おもしろいこと言うねぇー)
お母さん、会うたびにその話を何度も何度もおかしそうにするのよねぇ。
わたしもさすがに一緒に笑ってあげるの、疲れたよ〜。

うん、うん、わかる、わかる…と娘に同情していたが、ふと気になり、
「もしかして、お母さん、認知症の始まりじゃない?」
と言ってしまった。娘は、
「まったぁ〜、ママは!そんなことないよ。お母さんの癖なんよ、同じこと喋るの」
と答える。
そう?ちょっと心配…。

婿殿も黙って何度も聞いてあげるのかと尋ねると
「もちろんよ!何度でも、初めて聞くような顔で聞いてあげてるよ」
との返事。
やさしい息子だなぁ。
娘とはえらい違いだ。
娘は、わたしが同じ話をしようものなら、
「もうその話、前に聞いたよ」
と言って、バッサリ切り捨てる。

そう言うと、
「親を甘やかしたらいかんでしょうがぁ」
というありがたいお言葉。
厳しい娘を持つと、親もボーッとしてられない。