ポスト団塊世代のお気楽な日々

初老に近いおばさんが自由気ままに書き綴る自分勝手なひとり言

★老人いじめ?


昨日は、姉と二人、二日遅れで、母の敬老の日のお祝いをすることになった。

実家へ母を迎えに行き、次に姉を乗せて、お寿司を食べに行った。
その後、おやつにとケーキを買って直ぐに実家へ戻った。
というのも、母が10月の始めに旅行に行くというので、のんびりドライブなどしてられない。
姉妹で母が着て行く服を選んであげなければ、ということになったのだ。

母が着られそうな秋物の服を取り出し、並べる。
しかし、母の動作は緩慢だし、服のセンスが悪いので、旅行に来て行けそうな服はなかなか出てこない。
姉がしびれをきらして、母の部屋へ行った。
そして、
「どうしてこんなにぐちゃぐちゃなんよ!
これじゃ、△△さん(弟の嫁)と変わらんじゃない!
もっと片付けたらっ!」
と母を叱っているのが聞こえる。

わたしも行ってみた。
確かに、部屋全体が雑然としている。
広い部屋なのに、いつの間にか、チープなユニット家具が並び、窮屈な感じがする。
そこに、入用、不用な物、何もかもが無秩序に突っ込んである。
見るからに、使い勝手がとても悪そうだ。

わたしが、
「この茶棚がこんなところにあるからいけんのよ。
あっちの隅に置いて、鏡台をここに移動したらすっきりするんじゃない?」
と言ったら、姉が、
「よし、これから部屋の模様替えをしよう!」
と言い出した。
この蒸し暑いのに、なんという…と思ったが、まあ、姉には逆らわない方がいい。

パンツを膝上まで捲り上げ、カットソーを脱いでキャミソール一枚になる。
長い髪は一つにまとめ、ポニーテールに。
一瞬にして仕事人に変身する。

概して昔の人は物が捨てられないものたが、母があそこまで物持ちがいいとは思わなかった。

姉が言う。
「自分にとっては宝物でも、他人にはただのゴミだからね」
わたしが言う。
「もう先が短いんだから、いつ死んでもいいように身辺整理しとかないと△△さんが迷惑するでしょ」
母も、神妙な面持ちで娘たちの言うことに耳を傾けている。

もう、10数年も使っていないカラオケセット、壊れたビデオデッキ、使うことのないドライヤー、電池のなくなった電卓…。
「こんなもの、取っておいてもどうしようもないでしょっ!」
という姉の言葉にうなづく母。
次々、廊下に運び出す。
もう、何年も着たことがなくて、変色した衣類も全てゴミ袋に。
父の遺品も、もう7年も経ったのだからとあっさり処分。
あっという間にゴミ袋が廊下いっぱいに。
洋服の入れ替えもし、写真やカセットテープ、半紙に御祝儀袋までも分類して置き場所を替える。
 
3時のおやつにと買っておいたケーキを食べたのが5時前。
3時間もぶっ通して働いたのだった。

姉妹は、きれいに片付いた部屋を眺め、大満足。
母も喜んでいるふうだった。

しかし、この先、母は、あれがない、これがない、と探し物に追われるのだろう。
娘たちによって何もかも置き場所が変えられてしまったのだから。
本当に、あれで良かったのかなぁ…。