ポスト団塊世代のお気楽な日々

初老に近いおばさんが自由気ままに書き綴る自分勝手なひとり言

★役立たず


うちの町内会では、冬場以外、毎月第4土曜の朝、一斉溝そうじがある。
忘れてはいけないので、カレンダーに赤のボールペンで『溝そうじ』と書き込んでいる。

6時45分から始まり、30分くらいで終了する。
わが家の場合、溝そうじに参加するのは、ずっと夫の役割である。

退職後、夫は早朝ウオーキングを始めたのだが、ウオーキングが丁度その時間に重なる。
溝そうじを忘れてウオーキングに出かけたらいけないので、前夜の夕食時には、
「明日は溝そうじだね」
と言って、確認しあう。
なのに、朝になるとすっかり忘れてしまう。
二人とも。

ベッドの中で夫がウオーキングに出たのを感じながら、再び、わたしはウトウトする。
そして、6時45分に掃除開始の鈴が鳴り、わたしは飛び起きる。
そそくさと顔を洗い、服を着替えて、家を飛び出すことになる。
そんなことが、何回かあった。

それで、わたしは提案した。
「前の晩には覚えていても朝にはすっかり忘れてるって、ホント、二人ともどうしようもないよね。
『溝そうじ』って書いた札を作って、玄関のドアに吊るしておいたら、ウオーキングに行こうと思っ
ても、ハッと気づくからいいんじゃない?」
夫も、それはいい、と賛同し、早速、札を用意した。

何回か、それは役に立った。

ところが、夫も起きるのが遅いこともよくある。
起床してからウオーキングに出るまで、夫の場合、準備に20分くらい要する。
6時半過ぎに起きると、まだ、身支度が整わない内に鈴が鳴る。
それで、「お、今日は溝そうじだった!」と慌てることになる。
夫は、玄関に札をぶら下げておいたのでは、溝そうじを思い出せない、トイレだったら、起きて直ぐに目に入るから忘れていても気がつくのが早いと、トイレにぶら下げることになった。

何回か、それも役に立った。

そして、一昨日の土曜日の朝のことである。
涼しくなって、夫の起床時間が遅くなった。
まだ、二人ともベッドに居た。
6時45分、鈴が鳴った。
夫は飛び起きた。
そして、言った。
「トイレじゃダメだ。これからは、札を抱いて寝よう」