★タマ…タマ…タマ
日曜日の日本語指導ボランティア講座には、うちの日本語教室からは4人が参加した。
66歳の未婚のHさん、40歳の未婚のOさん、39歳の主婦のSさんとわたしである。
帰りの車中での女4人のお喋りである。
市内のある公民館では英会話教室が開かれているらしいという話になった。
わたしは誰が講師をしてるか気になった。
Hさんはその公民館がある地区に住んでいるし、元英語教師なので、講師が誰かわかるだろうと思ったが、知らないとのこと。
その時、ハッとある一人の男性が思い浮かんだ。
20年位前にちょっとした縁のあった、高校の英語教師だった男性。
英語教育に熱心だったし、その公民館の近くに家があったので、退職後、そこで英会話を教えていてもおかしくないと思ったのだ。
Oさんは進学塾の英語教師、Sさんはその高校の卒業生で、彼に英語を習っているかもしれない。
ということで、3人とも、心当たりがある筈だ。
わたしが名前を言えば顔が浮かんでくる男性だ。
ところが、わたしの方が名前が出てこない。
「えっとー、確かぁタマ何とかっていうんだけどぉー」
「???」
「タマ…、タマ…、タマ…」
「??」(ニタッ)
「もしかしたら、何とかタマかもしれないけどぉーーー」
「?」(クスッ)
「ともかく、タマが付いてるんよ!」
「………」(クスクスクス)
言いば言うほどに、ドツボにはまってしまったわたしだった。