ポスト団塊世代のお気楽な日々

初老に近いおばさんが自由気ままに書き綴る自分勝手なひとり言

★娘は冷静

日曜日の夜、NHKスペシャルで日本が初の植民地として台湾を統治した頃の珍しいフィルムと共に統治の実像を放映していた。
わたしは、予告でこの番組があるのを知っていたので、逃さずに見た。
夫は晩ご飯をすませると、間もなくうたた寝が始まった。

10時前、いつものように娘から電話がかかってきた。
呼び出し音で夫は飛び起き、電話を取り、わたしが熱心に見ていたテレビに目をやった。

娘に、「台湾が出てるぞ。もしかして、△子のとこでも見られる?」と声を張り上げている。
娘は、「NHKだったら、見られることもあるよ」と言って、テレビのチャンネルを合わせている。
「本当だ。昔の台湾じゃないのよ。見て、見て」
と、婿殿とお母さんを呼んでいる。

わたしは、「要らんことを!見せなくてもいいのに」とブツブツ言う。
なにしろ、日本人が見ても、台湾人が見ても、決して愉快になれるような番組ではない。
だから、翌朝、わたしは直ぐに娘にEメールを書いた。

昨夜はテレビに夢中になっていたからゆっくり話ができず、ごめん。
パパは△子の電話が鳴るまで寝ていたのに、いかにもそれまでテレビで台湾の歴史を見ていたように「見てみろ」と△子に言うし、△子は△子でお母さんや△△に見るように叫んでいるし、腹が立ちました。
絶対に、台湾の人には見て欲しくない一時間15分でした。
植民地の支配者として日本国と日本人のやってきた愚行を台湾の人には今更のように見て欲しくな
かったです。

そのメールに対する返事が昨日、届いた。

日曜のことは、気にしないで。
私も最初から見たかったよ。
でも、相変わらず、NHKのドキュメンタリーは暗いというか、
大げさ、大真面目というか、、、
テレビで映されていることだけが、事実じゃないからね。

娘は、後半の20分を電話しながら見ただけに過ぎない。
にもかかわらず、意外に的を得たことも書いている。
わたしに比べ、ずっと冷静だ。
もしかしたら、それは台湾に住む者の実感かもしれない。

統治時代、台湾人を差別したという事実もあったが、その後の蒋介石(国民党)の圧政、強権政治のお陰で日本人はテレビで放映されたほどには悪者にはなっていない…
と信じたい。