ポスト団塊世代のお気楽な日々

初老に近いおばさんが自由気ままに書き綴る自分勝手なひとり言

★口から出まかせの罪

日本語教室に、ルーマニア人の生徒さんが二人いる。
二人とも、とても優秀だ。
勉強熱心で物分りもよく、日本語の発音もきれい。

わたしが担当しているイザベラさんには、小学生の男の子のお子さんが二人いる。
お子さんの作文が県のコンクールで入賞し、新聞に掲載されたのを読んだことがある。
お母さんが一生懸命日本語を勉強している姿を綴ったものだった。

昨日の日本語教室での出来事である。

テキストに、( という話を聞いていると、 がいかに  かが分かるんです。)
という文を作る問題があった。
例えば、以下のように。

(ご主人の思い出や、戦争で家を焼かれて苦労した)という話を聞いていると、(私の知識や経験)がいかに(少ない)かが分かるんです。

Aの部分は予め与えられており、BとCを考える。
そのAに(今の日本の小学生はテストなどで大変だ)というのがあった。

イザベラさんは、先ず、
「本当ですか?日本の小学生はテストで大変ですか?」
と訊いてきた。そして、
「日本の小学校は、宿題は少ないし、テストもあまりないし、順位がありません。
ルーマニアでは、宿題もテストもたくさんあって、成績の順位が教室に貼ってありました」
と言うのだ。

今年度から「ゆとり教育」が転換されるということだから、これまで彼女のお子さん達は、のんびりした小学校生活を送ってきたのだろう。
わたしも、小学生の頃、さほど大変だったという記憶はないが、ちょっと見栄を張って、
「そうですよね。今は、あまり小学生に勉強させないみたいですね。
日本の子ども達はいつ頃からこうなったんでしょうねぇ。
わたしが小学生だった頃は、宿題もテストもたくさんあったし、大変でしたよ。
もしかしたら、これを言った人は、70代とか80代の人で、自分達が小学生だった頃に比べて、孫達は大変だって言ってるんじゃないのかな」
などと口から出まかせ、いい加減なことを言ってしまった。

ちょっと心が痛かった。