ポスト団塊世代のお気楽な日々

初老に近いおばさんが自由気ままに書き綴る自分勝手なひとり言

★親子の情

離れて住む子ども達がお盆に帰省し、賑やかに過ごし、そしてまた離れて行くのは寂しいものだ。
というのが人の情というものだろう。

だが、わたしの場合はチト違う。

3人を空港まで見送った後は、清々する気持ちが大きい。
また、普段のペースで生活が始まると思うと、気分も爽やかだ。
夫も、意外な感じもするが、別に寂しがる様子もない
多分、それは、3人の滞在期間が長すぎて、立ち去った後の安堵感の方が大きいせいだろう。
あるいは、もしかしたら、二人とも情が薄いのかもしれない。

今回の帰国では、半年前に予約しておいた山中のコテージで一泊した。
コテージにはダイニングキッチンを挟んで二部屋、寝室がある。
この二部屋で、どのように分かれて寝るかがわたしと夫との間で話題になった。

我が家では娘は婿・姑と一緒に寝るのだから、旅に出た時くらい、実の親と枕を挟んで積もり積もった話をしたいのじゃないか、というのが夫の言。
娘は姑の鼾が安眠妨害だとブツブツ言っているから、多分、一晩ぐらい、わたし達と寝たいかも、というのがわたしの予測。
で、娘にどうしようかと訊いてみた。
彼女の返事は、「どっちでもいいけど〜〜〜」。

コテージに着いた時、娘が婿殿に部屋をどう使おうか相談した。
婿殿は、台湾組3人と、わたし達夫婦に分かれて使うのがよかろう、と言っていた。
で、そうなるのかと思っていた。

ところが、晩御飯を済ませた頃、何を思ったか娘が、
「やっぱり、こっちで寝るわぁ」
と言って、わたし達の部屋でベッドメイクを始めた。
既に夫は飲み過ぎて眠りこけていた。
ベッドメイクを終えると、娘はダイニングキッチンでテレビを見ていた婿殿、姑に加わった。
わたしはベッドに横たわり3人の話し声を聞きながら、いつの間にか眠ってしまった。
娘がいつ頃、寝室に来たのか知らない。

翌朝、一番に目覚めた夫が驚いたように言った。
「おっ、△子はこっちで寝たんかぁ」
まだ半分、寝ぼけ眼のわたしは、起こされて気分が悪い。
「見りゃあわかるでしょうが」
わたしの不機嫌が伝わらないのか、夫が続ける。
「親子水入らずで話が弾んだんか?」
その時、娘が怒って言った。
「朝っぱらからうるさいねぇ。静かにしてよっ!」

どうも3人にはしっとりとした親子の情というものが欠けているようだ。