★ときどき難聴
娘たちがやってきて大人5人分の食事を賄うとなると、毎日、買い物に行かなければならない。
夫婦2人だけなら、1週間に3日も行けば十分だが、5人ともなると、直ぐに食料は底を突く。
その買い物に、娘だけでなく、必ず婿殿と姑が付いてくる。
姑は、台湾では見かけない食品と、その値段に興味があって付いてくる。
婿殿は自分が食べたい物を買ってもらうために付いてくる。
明日は台湾へ帰るという日の晩ご飯の時の会話である。
夫 お母さんは素食家だから仕方ないけど、△△は刺し身が食べられるからいいよ。
娘 でも、食べられるのは、サーモンとイカと甘エビだけだけどね。
私 安いもんばっかりだから、助かるわぁ。
あれで、本マグロの大トロが好物とか言われても困るけどね。ハッハッハ。
婿殿、わたしが何て言って笑ったのか気になったようで、娘に尋ねている。
娘が通訳すると、婿殿が小声で何か言った。
すると、娘がクスッと笑った。
わたしも気になって、
「△△、今、何て言ったの?」と娘に訊くと、
「本当は、ウニも好きなんだって」との返事。
わたしは聞こえなかった振りをして、ビールを取りに立ちあがった。。