ポスト団塊世代のお気楽な日々

初老に近いおばさんが自由気ままに書き綴る自分勝手なひとり言

★いい人やめたい

わたしは愛想は悪いが、いわゆる八方美人だ(と思う)。
どんな人とでも、適当に如才なく付き合っていける(と思っている)。
たいてい、聞き役に回り、自己主張はしない。(家の外では)
そのせいか、年輩の女性方にも受けがいい。(これ、本当)

2年くらい前に、わたしの属する市民グループに入会されたFさん。
結婚生活50年の71歳の女性。
半年前くらいから、彼女からしきりに電話がかかってくるようになった。
わたしは、もともと電話が苦手だが、彼女の長話に付き合ってきた。

ところが、忘れもしない、8月のお盆過ぎのことだ。
娘たちが帰国していた時だった。
丁度お昼ごはんを食べ終えた頃だった。
彼女から電話があった。
悪い予感がした。

用件が終わったので、電話を切ろうとしたが、Fさんにその気配はない。
いつものように、ご主人の悪口が始まった。
適当に相槌を打つ。

電話が終わりそうにないので、娘と婿殿と姑が食器を片づけ始めた。
洗い物を終えると、昼寝をするね、と言って三人はキッチンを出て行った。

Fさんの話は、結婚生活50年の後悔と愚痴に移った。

居間でテレビを見終わった夫がキッチンを覗き、まだ電話に付き合っているわたしに呆れている。
そして、いい加減に切れよ、とでもいうように、受話器を置くジェスチャーをする。

Fさんの話は、親類縁者に対する不平不満に移った。

その内、娘が昼寝から目覚め、キッチンにやって来た。
「まだ話してるん!?」と目を丸くする。
そうなのだ、もう、1時間半が過ぎたのだ。
さすがに我慢強いわたしも耐えきれなくなっていた。
「すみません、お客さんが来られたみたいだから…」と嘘をついて電話を切った。

あれ以来、Fさんから電話がかかると、切る口実を考えながら話している。
Fさんの機嫌を損ねないよう上手に電話を切ることばっかり考えている。

いい人を続けるのって、ほんと疲れるよね。