ポスト団塊世代のお気楽な日々

初老に近いおばさんが自由気ままに書き綴る自分勝手なひとり言

★校長先生の話

夫の学年会日帰り旅行が近づいてきた。   
昨夜は、我が家にいつもの二人の幹事に加え、会計担当のK子さんもやって来た。
K子さんは、元校長先生ということもあり、声は大きく、はきはきしていて、説得力抜群。
隣の部屋に居ても、彼女の声が一番よく聞こえてくる。

旅行の話し合いが終わり、雑談に入った。
雑談でも、彼女のペースで話が進んでいく。
お喋りな夫も出番は少ない。

わたしは隣の部屋で奥田英朗の『無理』を読んでいた。
読み始めたらやめられないほどおもしろい本なのに、読書に集中できず、ついつい彼らの雑談に耳を傾けてしまう。

K子さん、退職後のハワイクルーズやロンドン旅行の体験談を話し終えると、60代以降の男性の自立について話し始めた。曰く、 
 
  60歳より上の世代の男性は自立できていない。
  経済的自立を言うのではない。
  自立とは、自分で食事を作ることができることである。
  今の若い子は、抵抗なく台所に立って、自分が食べる物くらい作る。
  これは教育の問題である…、云々。

男3人は黙ってK子さんの話を聞いている。
誰もひと言も反論しない。

2時間半後、やっと3人は帰って行った。
3人を見送って戻って来た夫に、K子さんの男の自立の話を持ち出した。

  K子さん、なかなかいいこと言ってたじゃない。
    何がぁ。
  60以上の男の人は自立できてないって話よ〜。
    ああ、それかぁ。
  3人とも黙って聞いてたねぇ。
    まあねぇ。
  ってことは、みんな、反省してたんじゃないん?
    いんや、みんな、いい加減に聞いとっただけのことよ〜。

な〜〜〜んだ、そういうことかぁ。
校長先生の話が左の耳から右の耳に抜けるのは、年取ってからも同じなんだなぁ。