ポスト団塊世代のお気楽な日々

初老に近いおばさんが自由気ままに書き綴る自分勝手なひとり言

★10年の歳月

日曜日の夜のことである。

いつものように6時から「龍馬伝」を見た。
普段と違ったのは、終了後、慌ただしく夕食とお風呂をすませたこと。
8時から始まる「モンタナの風に抱かれて」に間に合わせるためである。
10数年前に一度観たことのある映画だが、NHKハイビジョンで放映するというので、再度、観てみたくなった。
何しろ3時間の大作、それなり力も入る。

映画は大抵タイトルも内容も直ぐに忘れてしまうわたしだが、この映画だけは強く印象に残っていた。
なので、ストーリーもキャストも比較的よく覚えていた。

2時間が過ぎ、物語が佳境に入った頃、電話がかかった。
そう、娘からの定期電話である。
毎週日曜日の10時には必ず電話をかけてくる孝行娘だ。

夫が出た。
夫も一緒に観ていたので、あまり長くは話したくなかったのだろう。
いつも長電話の夫が、3分でわたしに替わった。
わたしは、画面に集中しながら、
   今、映画を観てるから、ごめんね。
   ロバート・レッドフォードのモンタナの風に抱かれてよ〜。
   また、何かあったらメール書くわぁ。
と、こちらの状況を伝えると、30秒で切り上げた。
夫が、お前は冷たい、とか何とか言っていたが、既に耳も目も心もテレビに。

初めて観た時からわたしも10歳は老いた。
でも、モンタナの大自然に感動し、母と一人娘の和解に涙し、中年男女の切ない恋に心が震えた。
まだそんな自分がいることにちょっぴり安堵した。
なのに、R・レッドフォードとクリスティン・S・トーマスのあんなにもセクシーなダンスシーンがあったことはすっかり忘れていた。
いや〜〜〜、10年の歳月は侮れない。