ポスト団塊世代のお気楽な日々

初老に近いおばさんが自由気ままに書き綴る自分勝手なひとり言

★外付けハードディスク受難(2)

夫は、データがなくなるらしいと知ると、動転して、声を荒らげた。
3年分の自分の苦労は一体、どうなるんだ!と言って、わたしを責めた。
わたしに当たったところでどうしようもないとわかっていても、黙っていられなかったのだろう。

その日は、友達と一緒にお昼を食べる約束をしていたが、それどころではなくなった。
キャンセルの電話をし、夫は部屋に閉じこもった。

わたしも、外付けのデータをバックアップすることを夫に教えていなかったのを悔いた。
自分のデータはこまめにバックアップしているのに、夫のは放っておいた。
外付けから異音がするとか、動きがおかしいとかという兆候があれば、バックアップを取っていた。
なにしろ、買ってからまだ1年にもならないのだ。
しかし、今更言っても後の祭り。
せめて、定期的にDVDに画像を焼くことを教えておけば良かった。

いつもなら一言言われれば百倍にして返すのに、責任を感じて何も言い返すことが出来なかった。
黙って、嵐が通り過ぎるのを待った。
ただ、アクセスランプがつかないのだから、電気系統の故障かもしれない、と自分を励ました。

修理センターからなかなか返事は来なかった。
痺れを切らした夫が、電話しろ、と言う。

修理センターの返事は最悪だった。
既に、修理案内を送ったが、ドライブユニットが壊れている、と。
顔面蒼白になった。
夫のショックはわたし以上だった。

翌日、その修理案内書が届いた。
電話で聞かされたとおり、電源は正常でドライブユニットが壊れているとあった。
〈データは消失するが修理する〉か、あるいは、〈そのまま返却する〉のいずれかを選んで葉書を送り返して欲しいとあった。