ポスト団塊世代のお気楽な日々

初老に近いおばさんが自由気ままに書き綴る自分勝手なひとり言

★理想的な最期

母の長兄、つまり、わたしの伯父が亡くなった。
満91歳だった。

わたしは、お彼岸に母を連れ、伯父の家(母の実家)をお墓参りに訪ねていた。
そのときは、元気だった。
高齢にもかかわらず姿勢がよく、耳もよく聞こえるし、記憶力、理解力とも衰えが見られず、どう見ても90を超えているとは思えないほどだった。

お墓参りから数日後、伯父は気分が悪いと言って病院へ行ったところ、肝臓がんだと診断された。
会ったときには、全くそのような兆候は見られなかったので、わたしはとても驚いた。
でも、高齢なので、手術や無理な治療はしないことになったそうだ。
そして、それから数日後、伯父は脳梗塞で倒れた。
医師の話では、1ヶ月が限度だろうとのことだったが、二日目には亡くなった。
あまりに急なことに、言葉を失った。
お見舞いに行く間もなく亡くなってしまった。

でも、伯父はある意味、とても良い死に方だったと思う。
肝臓がんの宣告を受けるまで、ずっと健康だった。
一度も入院したこともない。
健康なままで91歳を迎えた。
脳梗塞で、ふっと意識が途切れて、そのまま眠ったように逝ってしまった。
肝臓がんで苦しむこともなかった。

お通夜で、叔父が伯父の娘(わたしにとっては従姉妹)に言った。
長患いするのは本人にとっても家族にとって辛いことだけど、二日は短すぎたよね、もう少しお父さんの世話をしたかっただろうね、と。

ああ、そうか、そうなんだ。
単に、良い死に方だった、なんて思った自分の浅はかさを情けなく思った。