★続・我が家こそ問題
不幸な母親を演じるのはわたしには似合わないので、直ぐにニコニコしながらKさんに返した。
「そうなんですよ〜。
お盆にも帰ってきたのに、また、この年末にも戻ってくるんですよ〜」と。
そう、問題の我が家の一人娘が、年末、また帰って来る。
日曜日の定期電話でわかった。
10月になっても帰省の話を持ち出さないので、わたしはその予定はないと安心していた。
夫が尋ねたら、「帰るよ」と当然のように答える。
実は、来年の1月末に夫婦で台湾へ行くと既に娘には伝えていた。
だから、お正月は帰らないよ、と言うのを密かに期待していたのだ。
(もっとも、それはわたしだけで夫は違う)
どうも、娘は親に会いに来るのではなく日本が恋しいのだと思う。
親に会いたいから来るのなら、後もう3週間も待てばわたし達が娘の所へ行くのだ。
娘にとって、親に会う会わないは関係ないのだ。
まぁ、親より日本、親より生まれ故郷に愛着があっても別にいいんだけど…。
今のところ、婿殿と二人で来るそうだ。
兄夫婦も姑も一緒でないのは嬉しい。
それだけは感謝しよう。
だけど、自分がKさんに気の毒がってもらうに値する母親だろうかと、ふと思う。
遠く離れて暮らしていても、さほど寂しいと感じることがないわたしは薄情なんじゃないだろうかと思
うことがある。
まあ、今はまだ若くて健康だから、そうなのかも知れない。
それに、喧嘩ばっかりしているが、とりあえず夫が健在で独り暮らしではないからだろう。
まあ、この先はどうなるかわからないし、考えたところでどうなるものでもない。
円高がどこまで進むのか考えたってしようがないのと同じことである。