ポスト団塊世代のお気楽な日々

初老に近いおばさんが自由気ままに書き綴る自分勝手なひとり言

★ひと言多い

夫が、知り合いの葬儀から戻ってきた。
そして、香典返しの挨拶状をわたしに見せながら言った。

「これ、読んでみぃ。
 息子さんが書いたらしいけど、泣かせるよ。
 なかなかうまいぞ」

読むと、亡父との思い出や亡父をいかに尊敬していたかということが切々と綴られている。
故人の人柄が偲ばれる文面だった。

香典返しの挨拶状は決まりきったものが多い中、稀に故人への想いに溢れたものがある。
わたしも数年前、娘の友人の母親が交通事故で亡くなり、ご主人が書かれた挨拶状にもらい泣きしたことがある。
今でも、その挨拶状は捨てられずに取ってある。
それで、夫に言った。

「まあまあじゃないの。
 何と言っても、△子ちゃんのお母さんの時は、泣いたもんね。
 あのご主人のに比べたら、大したことないんじゃない」

夫は、そうかぁ、と不満気だ。
それで、わたしは夫を喜ばせてあげようと、ひと言つけ加えた。

「まあ、あなたが死んだ時は皆がホロリとするような名文をわたしが書いてあげるからねっ!」

夫はちっとも喜ばなかった。