ポスト団塊世代のお気楽な日々

初老に近いおばさんが自由気ままに書き綴る自分勝手なひとり言

★年の瀬の衝撃

今年も、もう後10日で終わる。
プライベートでは、相変わらずの一年だった。
まあ、変わりないというのは幸せなことではある。
今年も何事もなく終わるのだろうと思っていた矢先、ショッキングなことが身近に起きた。

李秀蘭(仮名)さんがご主人と一緒に日本語教室に来られたのが2週間前のこと。
秀蘭さんは、その3週間前に日本へ来たばかりとのことだった。
日本語は全く口にしない。
ご主人とは筆談でやり取りしているとのこと。
中国人花嫁さんは、日本へ来る前には、大抵、ひらがなは一通り覚えてくるし、「こんにちは」や「はじめまして」くらいは言えるので、不思議な気がした。
が、ともかく、日本語が全然わからないので、わたしが担当することになった。

その1週間後、日本語教室初日の早朝、ご主人から電話がかかってきた。
秀蘭さんの体調が悪いから教室を休ませてもらいたい、とのことだった。
なかなか日本の生活に馴染めないのだろうな、と思って、無理をなさらないでくださいね、と言って電話を切った。

そして、それから6日後、日本語教室の前夜、ご主人から電話がかかってきた。

   実は、秀蘭さんが逃げました。

びっくりして、心臓が締め付けられるような気がした。
あ、そうですか、で切るわけにはいかない。
それとなく事情を訊いてみた。
秀蘭さんは、東京に居る中国人の知り合いによく携帯電話を掛けていたそうだ。
もう、それだけで十分だ。
ご主人もそれ以上、話したくはないだろう。

「いなくなりました」でもなく「出て行きました」でもなく「逃げました」が全てを語っている。